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秋は木漏れ日の香り

八月に秋はなかった。
九月の終わりにはあったかもしれない。
十月になった今、確実に秋の鼻先がここにある

昨日なかったものが今日はここにある。
ここにあったものも、いつかここからなくなってしまう。

時の流れは実在するか分からない。
ただ人間がチクタク動く時計をありがたがっているだけかも。
夜は明けるのではなくて、大きな巨人がこの地球に覆いを被せたり取り除いたりしているだけかも。

だけども秋はやってくる。

夏の間、ああ、早く秋が来ればいいのに、なんて思っていた汗だくの大人たちの願いを叶えるように
夏の日差しの強烈さに乾涸びてしまった植物たちに慈悲を与えるみたいに

ううん、それはうそ

秋は私たちの気持ちを知らない。
秋も夏も地球も空も私たちの気持ちなどお構いなしにただ自分の出番がやってくるとキラキラと輝かしくその美しさを披露するだけなのだ。

先日、おかわかめに蕾の花房ができた。

おかわかめは初夏から晩夏まで蔓を伸ばし葉っぱをつけ、秋には花を咲かせる。

まだ日中気温は30度前後だった。
なのに植物には秋の訪れがわかる。

私より美しい世界に住んでいる住人、という感じがする。

この子には、植物には、世界はどんなふうに感じられているんだろう。

色はあるんだろうか。
匂いは、温度は、速度は、感触は?

私たち人間より、ゆったりと、穏やかで、
音楽で言うならチェロのような世界なのではないかと夢想している。

植物たちにとっての秋は、芳醇で、豊かで、幾重にも重なり合う心地よい旋律
裸で絹のシーツにくるまるような肌寒さと気持ちよさ

人間は、そのおこぼれを貰っている、と言う気がしている

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心地よさを感じに、外を歩こう

君がいる世界に秋があってよかったな
私のいる世界に秋があってよかったな

秋って素敵なものだから
手のひらにそっと包み込んで、誰かに見せたくなるものだから

でも、そうできないところがもっと素敵なんだよね

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れいんどろっぷ。

雨が降ったり止んだりしているねぇ…

雨って、雨になる前はなんだったのかしらね?

よく海の水が暖められて水蒸気になって、雲になって雨になって、また地球に降り注ぐっていうけれど。

だとしたら、今日私の鼻の上にピチョンと落ちてきたあの雨の一滴が、いつだったか鯨達が吹いた潮の飛沫だったりするのかしら。

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君の中にある水は一体どこからきたかしら?



それってとってもromanticですね?
私たちは陸の上にいるのに鯨達とキスできるわけですから。

あなたの上に降り注ぐ雨は一体なんでしょう?

どんな水がいいですか?

ナマコがピューっと吹いた海水ですか?
イルカ達がスイスイ尾鰭で蹴った水でしょうか?
それとも深い深い深海の水ですか?

きっとあなたは海に行かなくても、海に触れることができますよ。
だってこの世界に生きるんですからね!

ではでは、ごきげんよう。

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夏の気配!

暑〜い!もう夏やん!!!

いや、まだ梅雨入りしたところなんやけどさ、毎日30度近く気温が出てたら、それってもう夏みたいなもんだよね…

夏って、水が力を持つ季節だと思う。

川とか、湖とか、海だとか。

水面が大きな生き物の鱗みたいに光って、めらめらしている。
めらめら、ぬらぬら、ぎらぎら。

隠しきれない生命力が奥底から溢れ出している感じ。

こういう水塊を見ると、ああ、夏が来たなぁ、って思う。
誰にも止められない夏が来た。

雪崩れてくる力のように、堰き止められない強風のように、
太陽が力を持ち、青空が力を持ち、雲たちが力を持ち、
中からぐつぐつ溢れてくる生命の力が地球を沸騰させる。

じりじりしたコンロの火みたいな日差しとか、
でっかい入道雲とか、
さっきまで晴れてたのに急に雷ごろごろ言ってるとか、
え?あーしのこと殺す気?みたいな豪雨とか。

そういうことに出会うと、
君って、そんなに力あったんだ。
そりゃ、人間って無力だね、って思っちゃう。

人々は科学でそれにそれに適応したんだろけどね。

今日は雨上がりだったからか、川はたっぷり水を蓄え悠々としていて、
草も木々も瑞々しくぷるぷるしていた。
日に当たっている草むらは西日で黄金に輝いていたし、
日陰の木々はお澄ましな感じで、しっとりといい香りがしていた。

いい感じだね、何事も。
そんな感じ。

そんな感じの世界。

これからもっと暑くなるだろうけど、やっぱり外に出たいな。
散歩行きたいな、って思う。

みんなはどう?
ちなみに、今日すごく月が綺麗だったから、お家の周りが曇りじゃないなら見た方がいいよ🌕



#夏の気配
#イラスト制作昴